「第4の軽」になり得るか? ありそうでなかったムーヴ キャンバスに試乗
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一
たしかに単純な“後席乗降性”でいえば、健康な大人は普通のスイングドアのほうが素早く乗り降りできる。1~2名乗車が基本の使いかたでは、スイングドアのほうが重量も軽くコストも安い。しかし、「後席に大きな荷物を積む」あるいは「駐車したまま、ちょっとした荷物整理や身支度をする」といったケースでは、開口面積が広くて、ドアを開けたままでも危険が少ないスライドドアがじつは便利……という多くの人が無意識に気づいているポイントを、キャンバスは突いている。
とくに、リアシート下に引き出し棚をつけて後席レッグスペースを収納に使わせる発想は、目からウロコだ。なるほど、私も1名乗車でクルマを使うとき、どうでもいい小荷物はリアシート上に、そして転がってほしくない荷物は後席足もとに放り投げることが多い。ただ、引き出し棚のせいで、リアシートを倒してもわずかに段差が残ってしまうが、個人的にはそこはまったく気にならない。
キャンバスをパーソナルカーとして使うなら、メイン荷室はスライドドアを通しての後席になる。わざわざリアゲートを開ける場面など、ほとんど想像できず、極端にいうと、リアゲートはなくてもいい(?)くらいである。
現在、軽自動車の定番スタイルは、ハイトワゴン、スーパーハイト、そしてハッチバックの3種類。一昨年発売されたウェイクが思ったほどの支持は受けていない現時点で、これらに続く「第4の軽」にもっとも近いのはキャンバスでは……と個人的には考える。
1990年代にハイトワゴンを定着させたのはワゴンRだが、その後のスーパーハイトの元祖となったのはタント、そして絶滅しかけていたハッチバックを復権させたのはミライースだった。つまり、近年の軽自動車で骨太なトレンドセッターとなっているのはダイハツである。キャンバスもそれに続くか?
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